別に「ベベル」に限らず、ドゥカティのアイデンティティと言えば「デスモドローミック」でしょう。
ちなみに、タイミングベルトのモデル以外は、デスモを採用していないモデルもあり、シングルに至ってはノンデスモの方が多かったりしますが、そこはそれとして(^^;
自分のバイクに「デスモドローミック」なる強制開閉バルブ機構が付いていて、それが「どのような働きをしているか?」は知っていても、実際に「どのように動いているのか?」ご承知の方は、実は案外少ないようです(偉そうに言ってますが、実は私も以前はよく判りませんでしたm(_ _)m)。
・・・という訳で、作ってみたのが左(←)の図です(「ベベル」ということで、シングルデスモレーサーをモデルにしてみました・・・なお、実際の形状とは細部が異なっていますので、ご了承下さい)。
向かって左側が進行方向、前方排気のエンジンですので右が吸気側、左が排気側となります。
・・・さてさて、ちゃんと読み込めていればデスモが「動いている」はずですが・・・
「デスモの動きは、この図を参考にして下さい♪」と書いたら、はなはだ簡単に済むんですが、それではあまりに不親切ですね(^^;
それでは少々解説をば・・・
上部にある3つのギアには、右からIn側オープンカム、扇形の特徴的な形状のIn及びExクローズカム(「デスモカム」とも呼ばれます)、そしてEx側オープンカムがついており、それぞれギアが噛み合うことによって駆動されています(この図のモデルとなったシングルデスモレーサーは、閉じ専用の「3本目のカムシャフト」があることから、通称「トリプルノッカー」と呼ばれます・・・市販車のデスモは、1本のシャフトにオープン/クローズの両カムがついてますが、動きは同じです)。
なお、それぞれの役割はIn側オープン、In側クローズ、Ex側クローズ及びEx側オープンで色分けしています。
まず、吸気上死点です。オープンカムに押されて、両方のバルブが少し開いています(所謂「オーバーラップ」です)・・・それから行程が進むとEx側バルブが完全に閉じてIn側バルブの最大リフトとなり、In側のクローズカムが働きだします(クローズカムの最も低い位置に、クローズロッカーアームが接しています・・・従って、これから行程が進むとクローズロッカーアームはバルブを上げる方向に作用します)。
ここから圧縮行程に入ります。
In側クローズロッカーアームに押されて、In側バルブが閉じだします。
バルブが完全に閉鎖してから(In側オープンカムの角度がバルブに対してほぼ90度になっている他、クローズカムの最も高い位置にクローズロッカーアームが接しています)、圧縮上死点の少し前に点火ということになります。
そして圧縮上死点を経て、膨張したガス圧によりピストンが押し下げられ、その後Ex側バルブが開きだして排気行程に入ります・・・で、Ex側バルブの最大リフトとなり、吸気上死点に戻って行程終了です。
これを連続すると、こうなります(^^;
デスモの場合、通常のスプリングと異なって・・・
1. 閉じ側にもカムを使用しているため、高回転でもバルブジャンプを起こさない。
2. スプリングがないため、動弁系の抵抗が著しく少ない。
3. バルブ開閉のタイミングが把握し易いため、チューニングし易い。
・・・等々の利点があると言われていますが、最近のスプリングは精度がよく、「1.」の利点は現状、ほとんどありません(なお、トリプルノッカーが誕生した1956年当時、これは非常に大きなアドバンテージで、事実、トリプルノッカーはシングルであるにも関わらず、16000回転まで回しても壊れなかったと言われています)。
ただし、「2.」及び「3.」については依然としてデスモの優位な部分であることは間違いなく、このことは、シリンダーヘッドをアッセンブリで単体にしたときに実感することができます(アッセンブリ状態でカムシャフトを「手」で回すことができます・・・スプリングだと「こう」は行きません)(^^;
「よく判らなかった!」という方は、特にクローズカムとクローズロッカーアームの動きに注目して、もう一度確認してみて下さいませm(_ _)m
「ついで」と言っては何ですが、MPEG版のアニメーションも作ってみました(^^;・・・上図をクリックするとプレーヤーが起動し、アニメーションがスタートします(上図のGIF版よりも動きが滑らかです)。
また、上図を右クリックし「対象をファイルに保存」を選択すると、MPEGファイルをダウンロードできます。
なお、ダウンロードしたファイルは拡張子が「MPS」となっていると思いますが、「MPG」に変更してください。