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G−1

(Type G-1)

「TYPE G−1」・・・A−2と並んで有名な、米海軍の傑作ジャケットである。 1930年代初頭に開発されて以降、基本仕様にほとんど変更を受けておらず、現在に至るまで米海軍アビエーター(海軍では「パイロット」とは呼ばないそうな・・・)の誇りの象徴として愛されている(もっとも現在では、飛行用途で着用されることはない)。
一括りに「G−1」と言っても、様々な「型式」が存在(見た目はほとんど変わらない)しており、「M−422」、「M−422A」、「AN6552」及び「AN−J−3」の4種類は一般に「大戦型G−1」と呼ばれている(なお大戦型G−1には、「G−1」というタイプ名は標記されていない)。 AN−J−3の後、1940年代末頃にスペック「55J14」となり、これに初めてタイプ名G−1が付与された・・・以降、「MIL−J−7823」、「MIL−J−7823A〜D」を経て、現在は「MIL−J−7823E」となっている。
私が初めて買ったフライト・ジャケットがこのG−1であり、ついでに初めて買ったビンテージものも、このG−1であったことから結構思い入れがあるジャケットである・・・使用温度域は「インター・ミディエート(中間域)」であるが、山羊革(現行は牛革)+レーヨン・ライナーの組み合わせは防寒的にはA−2とほぼ変わりない・・・ただし、ボア襟であるので首周りが暖かく、首筋からの風の侵入もA−2よりも圧倒的に少ないのが「中間域指定」の理由か?
内ポケットが付いている分、A−2よりも収納力は勝るが、外ポケットはボタン留めであるために使い勝手はA−2が勝る・・・また、ファスナーがむき出しのため、タンクに傷を付ける可能性がある・・・まぁ、タンクパッド等を装着すれば問題はなかろう。

1. オーチャード・モーターサイクル(ORCHARD MOTORCYCLE)
前記のとおり、私が最初に買ったフライト・ジャケットがオーチャード製のG−1(MIL−J−7823E)であった。
映画「トップガン」が流行った時期、街角には「これでもか!」というくらい至る所にパッチが貼り付けられたG−1がよく見受けられたが、ご多分に漏れず(笑)、我がG−1も「VF−84(ジョリー・ロジャース)仕様」ということで、20枚近いパッチが貼り巡らされていたような記憶が(笑)・・・流行の影響を受けていたのは否めないところである(なお「ジョリー・ロジャース」は海軍の一飛行隊であり、ドクロのスコードロン・マークで有名・・・映画「ファイナル・カウント・ダウン」に出ていた)。
オーチャード製G−1は海軍採用の実物であったが、薄い牛革で作られていたので不評だったと聞いている・・・同時期に採用されていたG−1には「ブリル・ブロス」というメーカーもあるが、こちらの方が品質は圧倒的に上である(なお、両方ともかなり安価である)。 MIL−J−7823Eはスペックの緩和が行われたモデルであり、アウターシェルは牛革、ボアはアクリル製でも「可」となったので、EタイプのG−1はほとんどがこの仕様である。
5年くらい所有していたが、サイズがやや大きかった(42)ことやビンテージものを購入したため、パッチを取り外して我が父の求めに応じて進呈した(写真なし)。
2. L.W.フォレスター(L.W.FORESTAR)
私が初めて手を出した「ビンテージもの」が、このフォレスター製のG−1(55J14)であった・・・なお、ビンテージものに手を出すようになると、社会復帰が困難になる(笑)。
こちらはサイズ40でジャスト・フィット、ジャケットの下にセーター等を着込んでいい感じということで、程度の良さも相まってかなり長期間活躍した。 革は肉厚の山羊革でダメージ等もほとんどなく、天然ムートンの襟ボアもほとんど毛抜けがない上にいい感じで「色抜け」をしていたのも好印象であった。
G−1はA−2と異なり、背中に「アクション・プリーツ」が設けられているため、腕の自由度が高いのもバイクではなかなか重宝する・・・襟ボアはややヘルメットに干渉するが、それほど首を派手に動かす場面もないから大きな問題ではない・・・ただし、A−2と比べて「ラジオ・ベスト」との相性があまりよくない(似合わない)ので、収納力向上の手段を考える必要がある・・・まぁ、これも好きずきではあろうが(笑)。
10年くらい活躍したが、ビンテージA−2を放出した時期と併せて、これもオークションで売却・・・いずれもう一度手に入れたいジャケットである。

3. バズ・リクソンズ(BUZZ RICKSONS)
「いずれもう一度・・・」と思っていたG−1であるが、数年ぶりに入手したのがバズ・リクソンズ製のM−422Aである・・・というわけで、厳密に言えばこれはG−1ではない(笑)。
とあるショップにて、数年間デッド・ストック状態になっていたのを購入・・・以前「革のマッコイ、布のバズ」と言われていたのを覆し、バズ・リクソンズの革ジャケットを再評価させたのが、このH&L BLOCK社実名復刻、M−422Aである。
肉厚の山羊革をアニリン染料で染め、その表面を焦がすことを繰り返して、独特の表面を得る「アニリン・ハンド&スコーチド」という、実に手間のかかるフィニッシュが施されており、数あるG−1系ジャケットの中でも群を抜いて出来がいいものと言える。
ちなみにM−422Aは、55J14よりも着丈がかなり長く、55J14ほどバイク向きとは言えない・・・裾リブを留めてある革タブの位置が低く、ほぼ間違いなくタンクに干渉するので、タンク・パッド等の保護は必須である・・・ただ、巷で見かけるG−1(らしきもの含む)は羊革製が多く、こういうきっちりとしたG−1を見かける機会は少なく、その中でもM−422Aとなると、更に見かける機会は少ないので、人と違ったものが着たい人にはうってつけであろう・・・もっとも、最近はM−422Aを復刻するところも少ないので、もしどこかで見かけて「財布の中身」との折り合いが付けば、是非入手しておくべきである。
このM−422A、惹句によれば「育てていく革」らしいので、これからどういう表情になるのか楽しみである。

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